2012年2月26日日曜日

学生団体におけるメンバーのモチベーション管理の難しさ


この1,2年を振り返ってみると、ソーシャルメディアの普及とともに学生起業家と呼ばれる方々がとても増えたなぁと思う一方で、数多くの“学生団体”が日本中で組織されたように思います。かくいう伊藤も大学4年の最後はWEB記事を制作する某学生団体の創業メンバーとして、そこでの活動に力を尽くしました。


その経験も踏まえながら“学生団体”という組織を定義してみると、「インターンよりはゆるく、サークルよりは真面目な形で社会人の真似事をする集団」というのがしっくりくるところです。そんな学生団体が多く生まれる状況に色々と批判はあるのかもしれませんが、伊藤的には自ら発信媒体を持ち、社会に何か価値をもたらそうと学生が一所懸命になることは、決して悪いことではないと思います。



一方で、この独特の「ゆるさ」をたたえた学生団体において、メンバーのモチベーション管理はなかなか難しい課題だと思います。そもそも学生団体がやることはお金になりません。そうした前提の中、メンバーは世の中の誰かに価値を提供しようと、一生懸命に活動してくれるのです。

しかし、いくらメンバーがしゃにむに頑張って自らの時間を団体に捧げたとしても、そこで生まれた成果は組織としての成果に、ひいては団体代表者の人脈やブランディングに帰化するだけで、メンバー個人に具体的なフィードバックがあるわけではありません。




会社なら給料や昇級という「しくみ」によって成果は見える化しますが、学生団体において個人の成果は当事者に非常に還元されにくくその点、団体の成果やコネクションを一挙に集約できる学生団体の代表者というのは非常においしいポジションといえます。(そこでのブランディングやコネクションはそのまま社会人で活用できたりしますし)

ただ、ここで問題となるのは、団体や代表が成果を巻き取ってしまうという事実ではなく、この成果にあやかる団体代表者や“人”に関する責任者の人事がこの内実を語らず、メンバーに対してなんのケアも行っていない場合が多いということです。




メンバーとしては成果に対する評価が自らに向かないわけですから、少なからずストレスや不満は蓄積していきます。これを放置していてはモチベーションの低下につながり、ひいては良いパフォーマンスを発揮させる土壌を団体に築けません。


「自分自身の成長になったから」「誰かに貢献ができたから」という質的な還元は勿論あるのでしょうが(というか無い方がおかしい)、メンバーのそうした充足感や満足感にもたれかかるようにして、何のケアもせず団体が運営を続けていくのは、その個人に対してあまりに不誠実といえます。(こうしたメンバー間の人間関係にぶらさがってしまうような“ゆるさ”が学生団体の怖いところ)


どこかで聞いた話によれば、平均的な学生団体の寿命は3年だそうです。もしも学生団体に所属されている方がこのブログをご覧になったのであれば、より長期的にその団体が活動を続けていくためにも、自身の団体内ではどのようにメンバーのモチベーションを管理/向上できそうか、話してみても良いかもしれません。伊藤自身、まずはこの問題がしっかりと言葉で語られることが重要だと思いますし、その団体ごとに具体的なフォローやケアの方法が見つかればそれは素晴らしいことだと思います。

とりあえずメンバー間で語りはしたけど、結局何の改善も図られなかったという所で、新たな不満が生じるケースがゆうに想像できそうなので(笑)、なるべく具体的な施策として解決が図られるのが望ましいですね。

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