2012年4月15日日曜日

「おしい!広島県」がウケる理由















こんにちは、伊藤です。
皆さん、この春をいかがお過ごしでしょうか。
気候もだいぶ温かくなりましたし、
お花見を楽しまれた方も多いのでしょうか^^

伊藤は4月から晴れて新社会人となり、
東京の某総合広告会社で働かせて頂いています。

自分のはるか先を歩く先輩社員方から日々勉強をさせて頂きながら、
伸び伸びと育てて頂いております。(これからが頑張りどころ!)

さて、話しはガラリと変わってしまうのですが、
皆さんこちらに見覚えはありますか??





御存じの方も多いかと思いますが、
先月末より広島県が展開している観光プロモーション「おしい!広島県」です。


















キャンペーンでは、広島観光大使に有吉弘行さんを据えて、
「広島県おしい!委員会」を設立。

「おしいは、おいしいの一歩手前」をスローガンに、
広島の知られざる「おしい!」部分を全国に向けて発信することで、
観光客の動員を増やし、「おしい!広島県」を、
「おいしい!広島」に変えていこうとしています。
(写真の有吉さん悪い顔してますねー笑。)


複数の媒体で取り上げられ、話題となっている同キャンペーンですが、
このキャンペーンのミソというか、上手いところは、
“自県の「B級ネタ」を果敢に発信している点”にあります。


僕は自身の第1回目のブログで、


「現代のように生活者の満足状態が平均して高く、
社会が消費に対して停滞状態にあるとき、
生活者は過去から面白かったり、
都合が良かったりする『ナニカ』を引き出し、
それを『現代を生きる活力』としながら生きていく」


というお話をさせて頂きました。


世の中にあるもので、ある程度満足できてしまっている現代人は、
素直に何かを楽しんだり、消費しにくい状態にあり、
「あえて古いものに価値を見出したりすることがある」という話しです。


詳しくは
「クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を広告的視点で読み解く」
を再読して頂ければと思いますが、


ともあれ、『オールウェイズ3丁目の夕日』等の70年代ブームの背景には、
こうしたマインドチェンジがあったのでは、というのが伊藤なりの考えです。
そして、今回の「おしい!広島県」もそれに通じる話です。


どういうことかというと、
2000年代初期が満足できなさ”を埋めるために
「古いもの」「懐かしいもの」に目が向かっていたのに対し、

2000年代後半からは「あえてショボイもの」に目が向けられるように、
生活者のニーズがシフトしていったということです。



 http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/food/images/b-1title.jpg



B1グランプリが話題になったり、
ご当地キャラ等が人気を博すようになったことがこの変化を物語っています。

また、こうしたニーズの変化に対応するようにソーシャルメディアが普及し、
全国各地の「ショボイもの」に、よりスポットが当たり易くなりました。


自分がいかに「良いもの」を持ってるか、
知っているかが生活者のモチベーションではなく、

いかにニッチなものを知っているか。
その絶妙なショボさに笑えるか。
やるせなさに魅かれているか。


これがモチベーションの源泉になっているのが現代の潮流だと思います。



ベタに物事の凄さに感動したり、語ることが楽しくなくなってしまったからこそ、

「しょぼさ、やるせなさ、それでもがんばってる感」を感じるコンテンツに、
生活者の魅かれどころはある-。


そんなことを、分かり易く教えてくれる事例が、
「おしい!広島県」キャンペーンではないでしょうか。





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