ラベル 広告事例 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 広告事例 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年9月21日土曜日

【事例】ターゲットの気持ちを“アゲる”!!ユニークな映画プロモーション3選



皆さんは、映画をご覧になりますでしょうか。また、どれくらいの頻度で、気になる新作映画を観るため、劇場まで足を運ぶのでしょうか。近年のデータでは、成人が1年間のうちに劇場を訪れる回数は、“1.14回”なんて言われています。

多いか、少ないか。感覚は人それぞれだと思います。この貴重な1回の鑑賞機会を獲得するために、或は、鑑賞機会そのものを増やす為に、作品の魅力をどのように伝え、生活者の心をどのように涌かせたらいいのか。配給会社、専門の宣伝会社、劇場、そして僕たち広告会社のスタッフは、日々熱い議論を交わし、悩んでいます。

今回は、そんな悩みをブレークスルーする、ユニークな映画のプロモーションの事例を3つほど紹介したいと思います。




『ライフ・オブ・パイ』
映画の世界観を身体全体で体験する水上試写会



日本での最終興収も19億円を超えるヒット作となった、映画「ライフ・オブ・パイ(2012年公開)」のフランスでの試写会はとてもユニークなものでした。

なんとその試写会は、作品の舞台が「小さなボートの上」ということで、それにちなんだ会場としてプールを貸し切り、水上に小さなボートを並べ、そこを観客席としてしまったのです。






一目見て分かるように、映画の世界を、目と耳だけでなく【身体全体】で体験してもらう演出です。上映中の約2時間は背もたれもなく、微妙に揺れる、決して居心地が良いとは言えない“座席”でしたが、参加者は皆大満足したとのこと。




身体性を伴う体験は、身体に強く、深く刻まれます。少年パイと限りなく同じシチュエーションを疑似体験してもらうことで、その経験価値は通常の映画鑑賞の何倍も引き上げられ、招待客もより作品を「ジブンゴト化」してくれたのではないでしょうか。

『ライフ・オブ・パイ』自体、かなり強く【3D】を意識した視覚表現が盛り込まれているので、その文脈から見ても、こうしたアトラクションタイプの試写は、まさにドンピシャと言えます。

奇抜さやニュース性だけでなく、鑑賞の経験価値を引き上げるこの試写会は、メディアや招待者のポジティブなレビューや口コミに繋がったことでしょう。こんな試写会があれば、例え作品に関心が無かったとしても、ついつい参加してみたくなっちゃいますね。



『モンスターズ・ユニバーシティ』
心躍るマジック・プロモーション


日本では7月6日に公開されているディズニー・ピクサー最新作「モンスターズ・ユニバーシティ」。公開2日で興収8.5億円、ピクサー史歴代3位の滑り出しを見せ、2013年9月現在で興収80億円を超えています。

この「モンスターズ・ユニバーシティ」のプロモーションで、ブラジルの子供たちの心を掴んで離さなかった事例を紹介します。




モンスターズシリーズの世界で、モンスター達が憧れてやまない職業が『怖がらせ屋』です。子供が最も怖がるものの一つに「暗闇」があります。そんな暗闇を、ちょっとした仕掛けで楽しんでもらおうと考案されたこのプロモーションでは、「モンスターズ・ユニバーシティ」のキャラクター型にくりぬかれた特注のシールが制作されました。




これらのシールは、車のヘッドライトに貼り付けることができ、ドライバーが車のライトをつけた瞬間、目の前の暗闇には魔法のようにキャラクターが浮かび上がるという仕掛けになっています。



ファミリー映画故に、劇場などを備えた大型商業施設などでサンプリングすれば、非常に高い効果を発揮します。或は、お父さんをターゲットに新聞の折り込み広告などにしても良いかもしれません。映し出された影を見た子供が、「映画を見たい!映画館に連れて行って!」とせがむ絵が目に浮かびますね。シンプルで子供が喜びそうな、素敵なアイディアです。



『ローン・レンジャー』
コスプレ取材陣を集めたジャパンプレミア



最終的にチケットを購入し、映画を鑑賞する一般生活者は「お客様」であり、その気持ちをアゲるのが、プロモーションにおいても一番重要なのは“言わずもがな”です。一方で、映画を世に届ける協力をあおぐメディア関係者達も、「パートナー」として気持ちをアゲる相手であり、無視できない存在といえます。

ジョニーデップ主演の最新作『ローン・レンジャー』(2013年8月公開)のジャパンプレミアでは、対メディア関係者に向けて、ユニークな取り組みが行われました。




ジャパンプレミア開催前、全国のメディア関係者の下には、イベントの案内とともに、謎のボックスが届きました。






箱を開けてみると、中には映画の主役、アーミー・ハマー演じる正義のテキサスレンジャー=「ローン・レンジャー」が装着しているアイマスクと、ジョニーデップ演じる先住民族=「トント」の白塗りメイクが実践できる、手順シートが入っていました。

そしてジャパンプレミア当日、招待を受けた取材陣達は、皆ローン・レンジャーとトントのコスプレをしてイベントに臨んだのです。







イベントは、雨天にも関わらず計2000名の来場者が訪れ、六本木ヒルズアリーナとその周辺を大いに涌かせました。こうした、取材陣だけでも数百人が集まるレッドカーペットイベントでは、来日するジョニー・デップなど、ハリウッドスターからコメントを貰うのは至難の業です。主要キー局を除いては、かなり望み薄と言えるでしょう。

全国各地から集う取材陣からすれば、こうしたコスプレを見にまとい目立った方が、来日キャストの注意を引いて、インタビューを獲得し易い”というメリットがあります。

また、配給会社側にしても、キャラクタープロモーションとしてお祭り感の醸成や、来日キャストのモチベーションをアゲるといった狙いがあり、運営側とメディア、双方が一つとなってイベントを盛り上げた好例と言えるでしょう




面白い!と思った事例はありましたでしょうか。私事ではありますが、今年のはじめ頃からこれまでの音楽領域に加え、映画とストアマーケティング(リアル店舗への集客施策)も考えるようになり、日々試行錯誤しながら、楽しく仕事をさせてもらっています。

以降は、音楽・映画・店舗マーケティングの事例はじめ、いろんなネタ備忘録していきたいと思います。(※写真は千葉に散歩しに行ったときに撮った無人駅です。とってもあじのある良い駅でした。)

以上、『仕掛けた相手の気持ちを「アゲる」ユニークな映画プロモーション3選』でした。最後迄ご覧頂き、ありがとうございます。





2013年1月6日日曜日

音楽をジブンゴト化する【共創】事例_(前編)


音楽プロモーションにおいて、マスメディア的コミュニケーションは効果を生み出せなくなってきています。「曲は→聴かせる、PVは→見せる」という一方的な【浴びせる発想】は早々に捨て、曲を気にかけもらうには、話題にしてもらうには、好きになってもらう為には、どんなコンテンツ・クリエイティブを提供すればいいのか。

その施策でリスナーの【体験(経験)価値】をどのように向上させ、楽曲・アーテイストへの【ジブンゴト化】を生み出すことができるか。

マスメディア的な文脈で「(アーティスト名)!(タイトル)!(発売日!)オンセール!」と他人事の情報を一方的に浴びせても、基本的にはノイズでしかなく、ファン以外の生活者に好意は抱いてもらえません。そう前回のブログでは書きました。




音楽の「ジブンゴト化」を促すには、楽曲(プロモーション)を通じた【経験価値の向上】が必要不可欠です。

※ 経験価値とは、モノ・コト・バショに関する経験から感じた価値(=楽しかった、面白かった、快適だった、感動した)のことです。プラスの経験価値が大きいほど、対象となるモノ・コト・バショへの愛着は深まり、その経験を誰かに伝えたい欲求が高まる、と言われています。

一番分かりやすく経験価値が引き上げられるのは、やはりアーティストのパフォーマンスをリアルに味わう“ライブ体験”と言えるでしょう。現状、これ以上に身体性を伴う音楽体験はありません。とはいえ、ファンでもないリスナーが、知らない・興味無いアーティストのライブへ足を運ぶというのも、中々ハードルがあります。

ライブという接触形態ではないにしろ、音楽案件のプロモーションではその情報に接れた者が、【何か】を体験し、経験が引きあげられる必要があります。

音楽の「ジブンゴト化」を生み出すには、いくつかのポイントがあります。今回は、そのうちの一つを事例とともにご紹介したいと思います。




case.1 共創(co‐creation





今回、ブログでご紹介するのは【共創体験】によるジブンゴト化です。ここでの【共創】とは、アーティストの音楽表現、或は音楽活動の一部にリスナー自身が組み込まれる、という意味を指します。



〈事例1〉

映像表現の中にユーザーが組み込まれる、

インタラクティブミュージックビデオ。


■SOUR / MIRROR(映し鏡)


まずは体験してもらうのが一番早いでしょう。(※少々面倒かもしれませんが、Twitter、Facebook、Webカメラ、接続するほど感動が増しますので、全ての接続をオススメします)

特設サイトで自分のTwitterやFacebookのIDを連携させ、Webカメラと接続設定。「Play」をクリックするとGoogleのトップページが現れます。検索窓には自分の名前が入っており、そのままWeb検索、画像検索する様子が流れます。

色んなサイトを横断したり、小さいウィンドウがたくさん出て混ざったり、とにかく技術がすごいです。Twitter・Facebook・Webカメラと連携したインタラクティブなミュージックビデオを楽しむことができます。(※対応ブラウザは「safari」と「Google Chrome」のみ)

映像演出の中に自分と、自分のソーシャルグラフ上の知人が出てくる体験はとても面白く、参加された方は“経験が引き上げられた”のではないでしょうか。デジタル上で、まさに視聴者が音楽表現の一部としてMVに参加できてしまう事例です。



〈事例2〉

相手に音楽を届ける、ミュージックビデオゲーム。


■androp/Bell



SOURのMIRROR(映し鏡)の事例よりは、幾分ユーザーに能動的な操作を求められはしますが、こちらもユーザーが音楽表現に組み込まれる事例です。

ユーザーはtwitterと連動したサイトにアクセス。届けたい相手とメッセージを決めたら、そのメッセージが犬やウサギに変身。相手ユーザーを目指して走り出します。(※動物が走っている画面中、ずっとandropの楽曲bellが流れています)

ユーザーは動物をキー操作することができ、迫りくる様々な障害をよけながらゴール(メッセージの到着)を目指します。極力ダメージを負わずにゴールできれば、メッセージはきちんと読める形で相手に届きます。(※余談ですが、伊藤はゲームセンスが無いため、数回挑戦してもノーダメージでクリアすることはできまでんでした)

メッセージを受け取った相手は、自分にメッセージが届けられた過程(MV)を再生できるとともに、ほかの友達にまたメッセージを送ることができます。

ゲームという身体性、友人にメッセージを届けるという行為により、androp/Bellを通じた音楽体験は、よりユーザーの中に強く残る“体験”となるのではないでしょうか。




〈事例3〉
ファンとバンドが一体となって表現をつくる、

コールドプレイのインタラクティブなLEDライブ。


■coldplay/Charlie Brown

   


今度はリアルな音楽表現にユーザーが参加する事例です。英国出身の人気ロックバンドColdplay (コールドプレイ)は、2012年夏にリリースしたアルバム「Mylo Xyloto (マイロ・ザイロト)」のプロモーションのため、世界ツアーを行いました。彼らは、ファンがバンドと一体になってライブを楽しめる、インタラクティブな音楽体験を提供しています。



    

アーティスとの奏でる音楽とファンが一体となったこの光景には、ただただ圧巻です。この演出の仕掛けは、ライブ参加者全員に無料で配布された、「Xylobands」というリストバンドにあります。





様々なカラーのLEDで発光するこのXylobandsは、専用のソフトウェアを使うことで、ライトアップするタイミングとパターンを信号で制御することができます。(会場での制御範囲は約300メートルとのこと)

この機能により、一定時間発光・点滅するだけの従来のサイリウムではなし得なかった、曲に合わせた発光演出が可能となり、ファンとのリアルな音楽表現の共創を実現させています。結果、この演出は多くの来場者が経験価値を大きく向上させたことでしょう。



さらにこの特別な体験は、ファン自らコールドプレイの特設サイト上に共有することができ、“参加者の感動”がそこでは集約されます。よりライブ(アーティスト)のジブンゴトが促進される環境が整えられた好例と言えます。




以上、音楽のジブンゴト化を促進する【共創】事例(前編)でした。3つの事例は、より各論的な【音楽表現】としての共創事例です。後編は、もう少し大きな視点で、アーティストの音楽活動そのものにユーザーが大きく組み込まれた共創事例などもご紹介できればと思います。最後までご覧頂き、ありがとうございました。



               音楽をジブンゴト化する【共創】(後編)に続く

2013年1月1日火曜日

【レコ大】服部氏「これが日本の音楽業界の現状です」の現状とは?




30日、TBSで放送された第54回レコ−ド大賞。受賞は2012年のオリコン年間ランキング第1位であるAKB48「真夏のSOUNDS GOOD!」となったわけですが、発表直前に服部克久 氏(日本作曲家協会会長・制定委員長)が発した一言がネットで物議をかもしました。

"日本作曲家協会会長・制定委員長の服部克久さんはレコード大賞で「これが日本の音楽業界の現状です。楽しんでいただけましたでしょうか」と発言。あまりにも意味深なこの発言はネットで波紋を呼んでいた。

中には暴言だ・皮肉だなど騒がれ、日本の音楽業界の現状をAKBの大賞受賞と重ねて発した言葉ではないかと物議を醸している。

振り返ってみれば今年はオリコンのランキングはAKBが独占するという異例の事態になっている。これを踏まえると大賞は文句なしの受賞ではあるが、作曲家である服部さんがこれに関し深く思う事もあるのかもしれない。”(引用)





CDセールスは握手券やハイタッチ券、ライブ招待券などのインセンティブにより大きくフォローアップされ、それは如実にオリコンに反映されています。服部氏の言うとおり、日本の音楽の"現状”がここには垣間見えます。しかし、これを過去の音楽産業の隆盛期との対比から「音楽が売れなくなった」「所詮握手券頼みか」と簡単に皮肉してしまうのは、如何なものでしょうか。

というのも、かつてオリコンがランキングにより示してくれた【人気】と、現在のオリコンが示す【人気】は、明らかに性質を違えており、この性質の違いの理解なく現状を皮肉することは、少々気が早いにように思います。そこで僕自身のアタマを整理する意味も込めて、本ブログを通じて、オリコン上位陣がAKB・ジャニーズで占拠されることの【意味】を、今一度考えてみたいと思います。




これまでオリコンはCDのセールス状況を、ただただシンプルに見える化してきました。それは今も変わらず、セールスの内実や過程は問われません。

そして音楽のデジタル化により、音源そのものに価値が発生しなくなった現在、1枚1000円近くもするCDはもはや当該アーティストのコアファンでなければ買ってはくれません。12mmのアナログディスクは、ファンとアーティストの関係値の深さを示す、エンゲージメントツールの一つとなっています。


これから言えることは、オリコン上位陣は昔のように、「皆で同じように聴く人気アーティストが名を連ねる場所」ではなく、「よりコアファンと親密で密接な関係を築いているアーティストが名を連ねる場所」へシフトした ということです。

オリコンが示す人気とは、その母数ではなく【人気の熱量】へと意味転換しているのです。この【母数→熱量】への変化こそ、“日本の音楽の現状”ではないでしょうか。



AKBにしろジャニーズにしろ、そのアーティストに対する圧倒的なファンのロイヤリティがランキングに大きな影響をもたらしています。そして、そのファンの熱量に消費し尽くされないほどの、膨大で圧倒的なコンテンツを、AKBとジャニーズは活動の中で生成し続けています。

成熟した日本の音楽業界が歩んだ先は、よりアーティストを「ジブンゴト化」したコアファンと【双方向】に【持続的】にコミュニケーションし続けていくこと。その手段が握手券、投票権、ライブ参加券であったりするのだと思います。

今後音楽マーケットが、そうした【熱量】がものいう形へと傾倒すれば、よりロイヤリティの高いコアファンを抱える声優系歌手なども、オリコン年間ランキングの上位に顔を出してくることも、十分あり得るかもしれません。いずれにせよ、これまでには見せなかった結果(変化)を、2013年以降、またオリコンは反映してくれるのではないでしょうか。

結果として、こうした熱量集団の列柱でマーケットが形成されるのだとしたら、これを簡単に皮肉してしまうのは考えものだなと、年末レコ大を観ながら書かせて頂きました。最後までご覧下さり、ありがとうございます。ご意見・ご感想など頂ければ幸いです。

2012年4月15日日曜日

「おしい!広島県」がウケる理由















こんにちは、伊藤です。
皆さん、この春をいかがお過ごしでしょうか。
気候もだいぶ温かくなりましたし、
お花見を楽しまれた方も多いのでしょうか^^

伊藤は4月から晴れて新社会人となり、
東京の某総合広告会社で働かせて頂いています。

自分のはるか先を歩く先輩社員方から日々勉強をさせて頂きながら、
伸び伸びと育てて頂いております。(これからが頑張りどころ!)

さて、話しはガラリと変わってしまうのですが、
皆さんこちらに見覚えはありますか??





御存じの方も多いかと思いますが、
先月末より広島県が展開している観光プロモーション「おしい!広島県」です。


















キャンペーンでは、広島観光大使に有吉弘行さんを据えて、
「広島県おしい!委員会」を設立。

「おしいは、おいしいの一歩手前」をスローガンに、
広島の知られざる「おしい!」部分を全国に向けて発信することで、
観光客の動員を増やし、「おしい!広島県」を、
「おいしい!広島」に変えていこうとしています。
(写真の有吉さん悪い顔してますねー笑。)


複数の媒体で取り上げられ、話題となっている同キャンペーンですが、
このキャンペーンのミソというか、上手いところは、
“自県の「B級ネタ」を果敢に発信している点”にあります。


僕は自身の第1回目のブログで、


「現代のように生活者の満足状態が平均して高く、
社会が消費に対して停滞状態にあるとき、
生活者は過去から面白かったり、
都合が良かったりする『ナニカ』を引き出し、
それを『現代を生きる活力』としながら生きていく」


というお話をさせて頂きました。


世の中にあるもので、ある程度満足できてしまっている現代人は、
素直に何かを楽しんだり、消費しにくい状態にあり、
「あえて古いものに価値を見出したりすることがある」という話しです。


詳しくは
「クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を広告的視点で読み解く」
を再読して頂ければと思いますが、


ともあれ、『オールウェイズ3丁目の夕日』等の70年代ブームの背景には、
こうしたマインドチェンジがあったのでは、というのが伊藤なりの考えです。
そして、今回の「おしい!広島県」もそれに通じる話です。


どういうことかというと、
2000年代初期が満足できなさ”を埋めるために
「古いもの」「懐かしいもの」に目が向かっていたのに対し、

2000年代後半からは「あえてショボイもの」に目が向けられるように、
生活者のニーズがシフトしていったということです。



 http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/food/images/b-1title.jpg



B1グランプリが話題になったり、
ご当地キャラ等が人気を博すようになったことがこの変化を物語っています。

また、こうしたニーズの変化に対応するようにソーシャルメディアが普及し、
全国各地の「ショボイもの」に、よりスポットが当たり易くなりました。


自分がいかに「良いもの」を持ってるか、
知っているかが生活者のモチベーションではなく、

いかにニッチなものを知っているか。
その絶妙なショボさに笑えるか。
やるせなさに魅かれているか。


これがモチベーションの源泉になっているのが現代の潮流だと思います。



ベタに物事の凄さに感動したり、語ることが楽しくなくなってしまったからこそ、

「しょぼさ、やるせなさ、それでもがんばってる感」を感じるコンテンツに、
生活者の魅かれどころはある-。


そんなことを、分かり易く教えてくれる事例が、
「おしい!広島県」キャンペーンではないでしょうか。





2011年12月20日火曜日

2011年、もう1度見返したくなったCM 6選+1


早いもので2011年もあとわずか、、、今年もあと10日ほどで終わってしまいます。

そこで今回は、2011年、僕が見て素敵だと思った広告・プロモーション動画を備忘録としてまとめていきたいと思います。(紹介させて頂く作品は日本のエージェンシーが制作したもので、且つ2011年に公開されたものとさせて頂きます。)





JRA(日本中央競馬会)
『最後の10完歩


JRAでは、ギャンブルというイメージが先行しがちな「競馬」というものに対するイメージ戦略として、10年ほど前より「ブランド広告」を展開しています。年毎に変わるJRAのブランド広告はとても美しいものが多く、伊藤も楽しみにしているのですが競走馬が走るときの躍動感、ジョッキーの騎乗姿勢の美しさ、、歴代CMの中でも最も美しく、最も完成度が高いのが本作ではないでしょうか。伊藤はギャンブルの類は全般苦手ですが、これを見ていると競馬を別な視点で見て見ようという気になります。ちなみに本作は、2001年に「最後の10完歩」と銘打って通年で展開されたCMを2011年のブランド広告用に再編集したものです。(博報堂)



富士急ハイランド 高飛車
『高飛車召喚』篇


「最後の10完歩」とはガラっとイメージを変えて、こちらは富士急ハイランドの2011年夏の新アトラクション『高飛車』のオープン告知CM。新アトラクションの周知・浸透に際し「どこまでエンターテイメントにできるか、どれほど目立てるか、どれだけ親近感をもってもらえるか」に挑戦した意欲作が本作とのことです。富士急ハイランドに足を運んだことのある方は分かると思いますが、この「分かりやすくボケにきてる感」がありながら、映像のクオリティがとても高いあたり、伊藤をはじめ生活者の多くが共有している“富士急ハイランドのコンセプト”をクリティカルに表現しているのではないかと思い、非常に好感を持てました。(電通/電通クリエーティブ)



NIKE JAPAN
「NEW BEGINNINGS」篇



「スポーツは困難を乗り越えるために精神を鍛え、最後のゲームがどれだけキツかったとしても、常に新たなスタートを与えてくれる素晴らしいもの」というメッセージが本作の企画骨子には据えられており、メッセージを象徴する様々な表現が作品内にちりばめられています。(ex冒頭で野球のホームプレートがゲーム前に白く塗り直されるシーン他、気になる方は2度3度と見返してみて下さい。)また、本作に出演するアスリートの多くが、このメッセージに強く・深く共感した上で出演しているそうで、ただネームバリューや発信力の強さからギャラを支払いキャスティングするのではなく、しっかりと主張に共感する出演者をキャスティングするからこそ、そのメッセージが説得力を携えたホンモノのなるのだということを、勝手に感じとってしまいました。そんな作品としての“強さ”を若輩ながら感じます。(NIKE JAPAN/ワイデン/ケネディ トウキョウ/BELIEVE MEDIA/21st City Century/BEAST/METHOD STUDIOS/CO3)








日清カップヌードル

「ヨーダ」篇 30秒




ニッポンが誇るパワーブランド日清と、超有名SF映画のコラボCM(2011年11月)。スター・ウォーズシリーズのヨーダが日本人に向けてエールを送るという内容で、日清担当者の「日本人のすべての方にエネルギーを沸かして欲しい」という想いから企画が生まれたそうです。誰もが知るリーダー企業、日清が発信するからこそメッセージに説得力が生まれ、誰もが口にするカップヌードルという生活に密着した商材だからこそ、人々にメッセージが強く刺さる、カップヌードルだからこそできる企画」を「カップヌードルが確信犯的にやった」あたり、本当にずるくて素晴らしい広告だと思います。音楽×映像×ストーリーとてもハイセンスです。おそらく企画は震災後の春先からあったはずですが、諸権利の問題や制作工数の問題で現実化が11月中ごろになったのではないでしょうか。何の根拠もない推測ですが。。。(電通/Neandertal/東北新社




NTTドコモ TOUCHWOOD SH-08C 
『森の木琴』


NTTドコモの携帯電話「TOUCH WOODケータイ」のプロモーション動画。森の斜面に44メートルにわたって並べられた巨大な木琴(檜の間伐材を利用)が、バッハの名曲「主よ、人の望みの喜びよ」を静かに奏でます。商材の「TOUCH WOOD」のテーマでもある“間伐材”にとにかく興味を持ってもらうという作品づくりで、間伐材づくりの木琴とボールによる演奏から、木の素晴らしさや楽しさ、美しさをストレートに表現し、作品を見た人は「木製であること」にポジティブなイメージを抱くのではないでしょうか。「え、なんの広告??」と見続けていった最後の最後に「あぁー、なるほどー」と心地よい溜息をつきたくなります。2011年カンヌ国際広告祭では日本勢最多・最高のトリプル受賞しています。(電通/ドリル)




JR九州(九州新幹線) 
THE 250KM WAVE



JR九州の九州新幹線全線開業キャンペーンCM「祝!九州縦断ウエーブ」。3月12日の開業に伴い、沿線や地元の人に九州新幹線を身近に感じてもらう狙いで放映したもので、2月20日に実施したCM撮影には、博多-鹿児島中央間の沿線居住者に参加を呼び掛け、途中駅ホームや車窓から見えるエリアに1万人以上を集め、このCMのために走行した新幹線車内から撮影しています。(企画サイドが、最初から100年に1度の伝説をつくるつもりで臨んだそうです。)







九州7県を“虹”に見立てて、祝祭感を前面に押し出したクリエイティブになっており、映像では住民一体となってウェーブをしていますが、構想時点ではウェーブではなくダンス案もあったそうです。ダンスも楽しそうですが、伊藤的にはウェーブの方が一体感があって好きです。「九州が新幹線でつながる」という点でも腑に落ちますし。


残念ながらCM公開前日の東日本大震災によって一時お蔵入りとなってしまったものの、映像はYouTubeにアップされ、消沈する日本にあって「元気をもらった」「今の日本に必要なCM」と、感動とともにあっというまに口コミで広がり、世界3大広告賞の一つカンヌで金賞を受賞しています。初めて見たとき、伊藤は泣きそうになりました。広告ではこんなことができる。広告の道に生きることが幸せに思える、そんなCMです。(電通/電通九州)



以上、「2011年、もう1度見返したくなったCM 6選」でした。あなたのお気に入りのCMはありましたか?もしこの中に無くとも、お気に入りの作品などあれば、その
表現だけでなくそれがどういった意図やメッセージ、コンセプトから落ちてきているのか、なぜ良いと感じたのか等を考えてみて下さい。きっとアレコレ考えるのは楽しいと思います。今回は6作品だけの紹介となってしまいましたが、機会があればCMに限らず、さまざまな作品を紹介(備忘録)していきたいと思います。



最後に、楽しいオマケCMを。



トヨタ ラクティス
THE WORLD'S BIGGEST UFO CATCHER



BIG SHARE~