2012年10月31日水曜日

(11/12更新)マスメディア的発想が生み出す悲しい動作不良



僕の担当している音楽案件では、クライアントもエージェンシーの人間も、ごく一部を除いて、まだまだマスコミュニケーション的な発想を捨てきれていません。

多くの担当者がシングル、アルバムのリリースタイミングで、とにかく効率良く「曲を聴かせる」「PVを見せる」、ということをミッションとしています。



この発想のもとに宣伝予算が投下され、TVスポット・屋外ビジョン・屋外ボード・アドトラック・街頭BGMなどのメディアの【枠】が押さえられ、アーティスト名・曲名・発売日の【基本告知】が行われます。そこでのクリエイティブには、CD音源・ジャケ写・PVといった【基本素材】が流用されます。

また、より費用対効果よくリリース情報を届けるために、プレスを招致したパブリシティイベント(基本的にライブもの)で、「ZIP!」や「めざましテレビ」といった朝のワイドショーへの露出やスポーツ紙、WEBニュースへの掲載が計画・実施されます。

大体この辺りが、ここ数年変わらない業界のアウトプット(宣伝予算の使い方)の通例と言えるでしょう。
しかしお察しの通り、これが機能してるとは到底いえません。


そんな中で、実にならない現行施策に閉塞感を感じるクライアントは、TVや屋外ボードが効かない!施策がCDの売り上げにつながらない! 既存メディアは効果が薄い!」と言って、音楽案件以外で成功事例の聞こえてくるデジタル領域に活路を見出そうとします。そうしたクライアントからは「新曲をソーシャルで話題にして売りたいんだ!」「YoutubeでPVを沢山視聴させたいんだ!」と言ったご相談をよく頂きます。

※同時にイケてない広告会社の人間も「分かりました!
新曲をソーシャルで話題にして売りましょう!」「YoutubeでPVを沢山視聴させましょう!」と言い、一生懸命WEB媒体のセールスシートを用意して、新提案に備えたりします。

これの何が不幸かというと、クライアントも広告担当者もCDが売れない、音楽が聴かれない(広告が効かない)ことのボトルネックの原因を、メディアパワーの衰退であると誤解している点です。(勿論一要因ではあるのでしょうが)



ヤフーのブラパネに広告を打とうが、Youtubeのマストヘッドに広告を打とうが、Youtubeのプロモート動画を打とうが、トゥルービューをやろうが、本質的には何も変わりません。こと音楽案件(業界)における様々な動作不良は、プロモーション領域に限らず、こうしたマスメディア的なシャワー型の【浴びせるコミュニケーション】に起因していると言えます。

当然ではありますが、音楽は日用品と違ってコンビニに売っていません。「なんとなく目に(耳に)入ってきたから、なんとなく買う」なんてことは、そうそう起こりません。情報が氾濫している世の中で、ファン以外のリスナーは基本的に「あなたの曲なんか別に聴きたくないわよ」というお断りのスタンスです。好きなアーティストの好きな曲以外は基本ノイズです。

そんなモチベーションのリスナーに対し、マスメディア的な文脈で「わたし最高だぜ、今度新曲出すぜ、〇月〇日だぜ、買ってね」という売り手都合の情報を浴びせられても、ファン以外の人間の、一体どんな【感情】が動くというのでしょうか。


マスメディア的コミュニケーションは効果を生み出せなくなってきています。「曲→聴かせる、PV→見せる」という一方的な【浴びせる発想】早々に捨て、曲を気にかけもらうには、話題にしてもらうには、好きになってもらうためには、どんなコンテンツ・クリエイティブを提供すればいいのか。その施策でリスナーの【体験(経験)価値】をどのように向上させ、楽曲・アーテイストへの自分ゴト化】を生み出すことができるか。これを実現するアイディアにこそ宣伝予算は投下されるべきであり、この業界を覆う閉そく感を真の意味で打破するポイントはここにあると伊藤は考えます。

この音楽、アーティストは自分におよそ関わりのあるものだという【自分ゴト化】。
それを生み出す、体験(経験)価値を向上させる双方向なコミュニケーション。次回のブログでは、次代の音楽コミュニケーションに求められるこの発想が垣間見える音楽案件の事例を、いくつかご紹介したいと思います。



2012年7月27日金曜日

相手の「納得」を引き出す4つのポイント





仕事で広告をつくる(企画する)以前に。自分が正しい、面白いと思ったアイディアや考えを上司やクライアントに提案するわけなのですが、まぁ通るもの、通らないものと、色々あります。

僕の話す企画、アイディア、それを伝える言葉の一つ一つに“説得力”がなければ、上司もクライアントも決して頷いてはくれません。

出来が悪ければ、けちょんけちょんに叩きのめされた挙句、企画の中身とはおよそ関係無い僕のパーソナリティもついでとばかりに否定され、「出直してこい!」と一蹴されてしまいます。

「ちくしょう。。」、「それは言わなくもいいことじゃん。。」そんなことを思いながら、叩かれた分をバネに自分の提案を育て直す作業に、日々取り組んでいます。


とかく自分の想い・考えが相手に全く及ばない、届かない時のもどかしさときたらありません。そんな日々を過ごす中で、ふと「ビジネス提案における説得力」について考える機会があったため、本ブログにて僕が大事だ、気を付けたいと考えていることを整理・備忘録したいと思います。




■相手の「納得」を引き出す4つのポイント

1.あなたの提案は、
論理的な構造を持っているか

2.あなたの提案は、
相手の過去体験(感覚値)からくる共感を引き出せるか

3.あなたの提案は
実例(事例)が含まれているか

4.あなたの提案は、
熱意・勢い・テンションでもって語ることができるか




「説得力」を別の言葉で言い換えるなら、“相手の納得を引き出す力”というのが一番しっくりくる所ではないでしょうか。この4つは僕自身、相手の納得を引き出す際の「条件」に言い換えられるほど大事な要素だと考えていて、以下順番に説明していきたいと思います。





①あなたの提案は、論理的な構造を持っているか

ビジネスの原則は「相互利益」にあり、ビシネストークも必然この原則に準じることになります。互いの“損益”をめぐるこの会話の中で論理性を見出せなければ、人は拒絶反応を起こします。当然ですよね。

あなたが企業のマーケティング担当、僕がソーシャルメディアを使ったキャンペーンを提案する広告会社の人間だとして、

「なぜウチの会社がソーシャルメディアマーケティングの領域に貴重な予算を投下しなければならないのか」「そもそもどんな利益や効果が見込むことがー」「何故それをA社でなくB社で実施する必要がー」いう疑問に答えられない提案なんて、受けられるはずもありません。

クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏は、自身の提案に1000通りの「何故ならば」を用意するそうです。この「何故ならば」という根拠が無ければ、納得以前にそもそも相手の「理解」を得ることができません。

それ故に、提案(トーク)の論理的構造は基本の「き」の字、説得力における第一条件と言えるのです。





②あなたの提案は、相手の過去体験(感覚値)からくる共感を引き出せるか

聞き手が自分の日常体験や過去の経験をベースに、その話を「感覚的に連想・理解できるか」は非常に大切なことです。

「これは費用対効果に優れ、こんなクリエイティブな要素を含み、ユーザーの経験価値を引き上げ、好意的な反応を得ることができる、御社にこんなメリットがあります」と、僕があなたに論理的に説明したとしても、あなたが一人のソーシャルメディアユーザーでなければ、僕の話はきっと半分も伝わりません。

そこにある楽しい・面白い体験を「うんうん、あるある」という感覚値で想起できなければ、僕はあなたから「もっと別の企画はないの?」という返事を預かることになるでしょう。

相手の知らない話をどんなに理解可能な形で説明できたとしても、聞き手が体験に紐づいた「感覚値」を持たなければ、その話は“理解”はされても、“納得”されない(され難い)話として終わってしまいます。それほど人は「知らないこと」に対して肯定的になれません。

逆に、あなたが一人のソーシャルメディアユーザーとして、ソーシャルメディア上でどんなことが話題となりやすく、どんなネタで、どんな人たちが、どんな風に盛り上がっているのかを体験している人物であれば、感覚値を共有している僕の提案に説得力を感じてくれる可能性は高いと言えます。或いは①、③、④といった他の要素を全てすっ飛ばし、あっというまに企画が実施に向かうなんてことがあるかもしれません。(※実際にそんなケースの仕事があったりします。)


相手の体験(感覚値)からくる共感を呼び起こせるかは、ビジネストークにおける急所といえるくらい、僕は重要だと考えています。



知らない話、分かり辛い話をする際、話が巧いとされる方々はテクニックとして「身近なたとえ話」を交えることがありますよね。すると、その内容はよく理解できなくとも、妙に「なるほど~」と納得してしまうことがあります。

聞き手はその「例え話」を手掛かりに自分の記憶を辿り「これはそういうことか」と自分の中に安心できる解を見つけ、結果「納得」します。

100%の理解など得られずとも、そのトークに相手の「体験値/感覚値」を挟み込むだけで、より相手の納得は獲得しやすいものとなります。あなたの提案は、相手が体験/経験をベースに感覚的に連想・理解できるポイントがあるでしょうか。

もし、無ければ、相手が想起できるよう「身近なたとえ話」など織り交ぜつつ、納得してもらえるトークを心掛けてもいいのかもしれません。





③あなたの提案は、実例(事例)が含まれているか

その人の“体験や感覚値”に訴えかけることが説得において重要であると「②」で言いましたが、相手の体験/経験を引き出さずとも、“他の誰かの体験”を語ることで、納得感を生み出すことができるケースもあります。

それが実例(事例)の持ち出しです。論理に基づく説明をいくらしたところで相手が体験値・経験値を持たなければ、その提案をイメージできないということでしょう。

僕自身、新しい提案をする際に相手企業の担当者から「そういうの、他でやってるところはないのかい?あれば見たいんだが…」等とよく尋ねられます。

誰しも「渡れる橋」しか渡りたくないでしょうし、他の誰かがやった(体験した)ことに思考と安心を預けるのが普通の人間です。「同業者で、こんなソーシャルメディアキャンペーンをやってる所があって、しかもそれが成功している」という“成功の見込み”が、提案に納得感をもたらす要因となるのです。




④あなたの提案は、熱意・勢い・テンションでもって語ることができるか

話しの内容以上に、トークが発生させる瞬間最高風速に煽られ「なんかよく分からないけど、この人になら任せて大丈夫だろう」「なんか面白そう」と納得させてしまうパターンです。

メラビアンの法則では、人が直接対面してコミュニケーションをとったとき、そのコミュニケーションの支配率は話の内容が7%、話し方(口調等)が38%、ボディランゲージが55%程だとされています。

人は、話の内容よりも話し方(口調、言葉の使い方、抑揚など)やボディーランゲージ(ジェスチャー、視線、表情)などの「ガワ」から判断することが多いようで、そうしたテンションや勢いを雰囲気として身に纏えるひとはとても有利と言えるでしょう。余談ではありますが、僕があまり得意としない分野だったりします。

一部もって生まれた性質もあるのかもしれませんが、これはトレーニング次第で強化できる能力でもあり、テクニックとしては身振り・手振りを意識するボディトーキング、メリハリや抑揚、声の大小高低、緩急を意識するドラマチックトーキングなどがあります。

いずれにしても、話の内容もしっかりと練り込んだ上で実践すれば、相手の納得を引き出す上でとても強い武器になるでしょう。




僕もまだまだ実践できてない所も。自分のアイディア・提案をいいね!と言ってもらうべく、日々実践していきたいと思っています。以上、相手の「納得」を引き出す4つのポイントでした。



2012年6月24日日曜日

このソーシャルな時代、音楽は。

今月初めごろだったでしょうか。
僕のTwitterのタイムラインに、こんなNAVERのまとめ記事が流れてきました。




結構バズっていたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

このまとめが非常に分かり易い形で、
2012年現在の「CD(音源)の価値」を示してくれています。



僕は現在、広告会社で音楽案件を担当するセクションに身を置いています。


僕のお客様であるレコード会社がCD不況に喘ぐようになってから、
もう随分な年月が経ちました。不況具合は数字で見ると、こんな感じです。



引用元: http://www.officiallyjd.com/archives/58830/

パッケージのセールスは、この10年間で約半分以下まで落ち込みました。


また、パッケージにとって変わられると期待された配信も、


・JASRAC 音楽を安価で出したくない  (参考:日本経済新聞)
・ガラケー→スマホ乗り換えに伴う着うた不振 (参考:livedoorニュース)
・年間違法DL数(推定)は正規DLの約10倍、43.6億ファイル (参考:ファイル・ウェブ編集部)


色々要因は考えられますが、伸び悩んでいます。



昨今のCDセールスを支えてくれているAKB勢ですが、
ご存知の通り、その売り上げを支えているのはパッケージに内封された握手券や投票券です。

AKBに限らず、こうした手法でファン一人の投資金額を引き上げ売上を確保する手法も、
すっかり定着したと言っていいでしょう。


そうしたCD購入者限定の握手会やハイタッチ会、サイン会等の、ビジネスモデルがあとどれだけ続くのかは分かりませんが、AKB48に関してはそれだけに留まらないファンとの関係値構築の巧さ”を感じるので、このムーブメントはまだもうしばらく続く予感がします。(そこら辺の話題に関しては、もう少し先のブログで言及したいと思っています。)


ともあれ、あらゆるものがインターネット上でソーシャライズされ、
コンテンツをフリーに楽しめてしまう2012年の現代において、
120mmの円盤=音源単体の価値って、まさにこれなんだと思います。





少し極端な画像を引っ張ってきてはいますが、
熱狂的なファンを抱えるAKBというアーティストにおいても、
その音源に価値は発生していません。


一昔前までは、音源の露出方法はマス媒体がベース(映画、ドラマ、CMのタイアップ、ラジオ)の一方向的なものばかりで、興味を持ったその曲に僕達が能動的に接触するには、CDを買う(借りる)他ありませんでした。


photo credit: thms.nl via photo pin cc

 それがネットメディアの発達、コンテンツのデジタル化によって、公式非公式問わず音楽はYouTube、ニコニコ動画、viemo等の動画共有サイトで、Spotifyのような音楽ストリーミングサービスで共有されるものとなり、音楽は好きな時に、好きなものを、好きなだけ聴く(視る)ことができるようになりました。対価を払わず、違法にダウンロードし携帯することもできます。


そうした環境下で音楽と付き合ってきた若きデジタル世代は、
そもそも“音源にお金を払う”という感覚自体が無いに等しいのです。
(僕もよっぽどのことが無い限り、CDを買うことはありません。)


ライトなユーザーはお金を払わずに音源だけを楽しみ、コアなファンだけが、その音源の先にあるアーティストや音楽体験に投資をする、その結果としてCDが売れる時代です。そのためCDの売り上げは、ファンとアーティストとのキズナの強さ示すエンゲージメントの指標に言い換えられ、その点でAKB48のファンとのエンゲージメント構築は非常に秀逸だと言えるのです。


楽曲のメロディ、詩、世界観、アーティストの人格や音楽性に共感し、その音楽活動の構造の中にしっかりと自身が組み込まれ、参加を自覚しながら様々な双方向コミュニケーションを経て共感が確信に変わり、初めて生活者(ファン)はCDに手を伸ばすようになるのです。


それでもCDが、昔のようには売れることもうないでしょう。
どんなにファンとアーティストがエンゲージメント出来ていたとしても、です。

結論を言ってしまえば、ソーシャル時代を迎えたことで音楽産業はパッケージで儲けるという旧来ビジネスにいよいよ終止符を打ち、取り巻きのビジネスも、より多様な形態に分散していくと思われます。(というより、そうならなければいけません。)

その中でも音楽関係者の方々が注目し、
マネタイズのしくみとして重要視しているのがライブマーケティングです。


photo credit: Gueоrgui via photo pin cc

CDがさばけないのにライブ?と思われるかもしれませんが、こんな面白いデータがあります。



(参考:伊藤 雅啓 氏ブログ)

これを見る限り、決して世の中的に音楽離れというわけではないようです。
あるいは生活者は、個として音楽を消費するより、オンラインでもオフラインでも複数人で共有しながら音楽を楽しむという、誰かとの関わり合いを前提としたとても社会的な楽しみ方を求めているのかもしれません。



そんな中で、伊藤個人としてはオフラインのライブと、オンラインのソーシャルメディアを融合させ得る、NFC(近距離無線通信)をベースとしたオンライン・ツー・オフライン(O2O)の取り組みに、今後の音楽を元気にしてくれる可能性があるのではないかと、非常に期待しています。


その辺りの先行事例等も、今後のブログの中で備忘録(紹介)していければと思っています。
お付き合い下さり、ありがとうございました。



2012年4月15日日曜日

「おしい!広島県」がウケる理由















こんにちは、伊藤です。
皆さん、この春をいかがお過ごしでしょうか。
気候もだいぶ温かくなりましたし、
お花見を楽しまれた方も多いのでしょうか^^

伊藤は4月から晴れて新社会人となり、
東京の某総合広告会社で働かせて頂いています。

自分のはるか先を歩く先輩社員方から日々勉強をさせて頂きながら、
伸び伸びと育てて頂いております。(これからが頑張りどころ!)

さて、話しはガラリと変わってしまうのですが、
皆さんこちらに見覚えはありますか??





御存じの方も多いかと思いますが、
先月末より広島県が展開している観光プロモーション「おしい!広島県」です。


















キャンペーンでは、広島観光大使に有吉弘行さんを据えて、
「広島県おしい!委員会」を設立。

「おしいは、おいしいの一歩手前」をスローガンに、
広島の知られざる「おしい!」部分を全国に向けて発信することで、
観光客の動員を増やし、「おしい!広島県」を、
「おいしい!広島」に変えていこうとしています。
(写真の有吉さん悪い顔してますねー笑。)


複数の媒体で取り上げられ、話題となっている同キャンペーンですが、
このキャンペーンのミソというか、上手いところは、
“自県の「B級ネタ」を果敢に発信している点”にあります。


僕は自身の第1回目のブログで、


「現代のように生活者の満足状態が平均して高く、
社会が消費に対して停滞状態にあるとき、
生活者は過去から面白かったり、
都合が良かったりする『ナニカ』を引き出し、
それを『現代を生きる活力』としながら生きていく」


というお話をさせて頂きました。


世の中にあるもので、ある程度満足できてしまっている現代人は、
素直に何かを楽しんだり、消費しにくい状態にあり、
「あえて古いものに価値を見出したりすることがある」という話しです。


詳しくは
「クレヨンしんちゃん『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を広告的視点で読み解く」
を再読して頂ければと思いますが、


ともあれ、『オールウェイズ3丁目の夕日』等の70年代ブームの背景には、
こうしたマインドチェンジがあったのでは、というのが伊藤なりの考えです。
そして、今回の「おしい!広島県」もそれに通じる話です。


どういうことかというと、
2000年代初期が満足できなさ”を埋めるために
「古いもの」「懐かしいもの」に目が向かっていたのに対し、

2000年代後半からは「あえてショボイもの」に目が向けられるように、
生活者のニーズがシフトしていったということです。



 http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/food/images/b-1title.jpg



B1グランプリが話題になったり、
ご当地キャラ等が人気を博すようになったことがこの変化を物語っています。

また、こうしたニーズの変化に対応するようにソーシャルメディアが普及し、
全国各地の「ショボイもの」に、よりスポットが当たり易くなりました。


自分がいかに「良いもの」を持ってるか、
知っているかが生活者のモチベーションではなく、

いかにニッチなものを知っているか。
その絶妙なショボさに笑えるか。
やるせなさに魅かれているか。


これがモチベーションの源泉になっているのが現代の潮流だと思います。



ベタに物事の凄さに感動したり、語ることが楽しくなくなってしまったからこそ、

「しょぼさ、やるせなさ、それでもがんばってる感」を感じるコンテンツに、
生活者の魅かれどころはある-。


そんなことを、分かり易く教えてくれる事例が、
「おしい!広島県」キャンペーンではないでしょうか。





2012年4月3日火曜日

facebookページ運用で気をつけたい7つのポイント



こんにちは、伊藤です。

前回のブログではfacebookページ運用における基礎知識として
facebookを支えるしくみである「エッジランク」について言及しました。

前回に引き続き、今回もページの管理/運用にまつわる話をさせて頂くのですが、今回はこれまでと異なり“より実際の運用で気をつけたいポイント”を具体的に備忘録していければと思います。一般論とは別に、伊藤自身の経験に基づいた主観的な話しもやや含まれますが、ご参考程度にお聞きください。


1.エンゲージ率を気にしよう













「エンゲージ率(facebook)」とは、そのページが抱えるファン数に対して、投稿記事の「いいね!」やコメントなどのアクションが付けられている割合を指します。これがページとユーザーがどれぐらい深い関係なのかを、一応の形で示す指数となります。



「エンゲージ率」の出し方は、仮に100人のファンがページにいたとして、1投稿3人がいいね!を押し、2人がコメントを書いた場合は、そのエンゲージ率は5%となります。リアクション/ファン数=エンゲージ率。即ち(3+2)÷100=5%といった具合です。


さらに別の投稿に対して、4件の「いいね!」と、3件のコメントが書きこまれた場合は、(3+2+3+4)÷2(投稿数)÷100=6%となります。(少々分かり難いですね…笑)過去7日間でそのページ上で何かしらのアクションを起こしてくれたユーザーの数は、ページタイトルの下に合計イイネ数とともに「話題にしている人」として表示されていますので、こっちから確認する方が分かり易いかもしれません。


これが高ければ高いほど、よりファンにとって有益な喜ばれるコンテンツを提供できているということですので、この数値のアップダウンにはよくよく目を光らせておきたい所です。



2.画像の扱いに目いっぱい気を使おう
















カバーや投稿の写真、リンク先のサムネイルなど、画像の扱いには十二分に配慮しましょう。facebookにおいて写真/画像の優先順位は恐ろしいほどに高いと言えます。というのも、リンクやテキストでの投稿に比べて、写真つきの投稿の方がユーザーのリアクションが圧倒的に良いからです。


伊藤が学生時代に運用を担当したアンサーという団体のfacebookページでは、リンクやテキストだけの投稿に比べて、写真付きの投稿の方がリーチ(ニュースフィードへの広がり)で1.14倍、クリック率で6.0倍もの違いがありました。米で画像系のソーシャルネットワークの「Pinterest」が人気を博しているように、これからは「ビジュアルウェブ」の時代がやって来ると言われています。積極的に良い写真を採用しましょう。


※ただし、すべての投稿を写真にすることで、タイムラインがごちゃごちゃになってしまうケースも想定できます。ファンのアテンションをひきたい重要な投稿と、そうでない投稿とを運用側がしっかりと見極めて、その上で写真が必要か不必要か考えられるのがベストだと思います。 


3.是非、オリジナルなコンテンツを


















ここで言うオリジナルなコンテンツとは、facbookページでリンク(動線)を引いた自社サイト等でのコンテンツではなく、facebookページで完結する「独自コンテンツ」のことを指します。


たまに見かけるのが、ソーシャルメディアを動線メディアや告知メディアとしてしか活用できていないケースです。毎回なにかへの誘致やリンクだけではそのページは愛してはもらえません。


イケてる写真をUPするも良し、ユニークなキャンペーンを実施するも良し、他の媒体にはないfacebook独自のコンテンツを持たせることが、何度も訪れたくなるページを築き、本当に見てほしいコンテンツを掲載したときの動員効果を最大化させてくれます。


4.毎日見たくなるポイントがあるか
















最初に「いいね!」をしてもらうだけでなく、その後も継続的にファンが訪れるページを作るためには、有益な情報(「気付き」や「新しい価値」)を提供する他に、ユニークさが必要です。


Googleの検索バーのように、ただ訪れるだけで楽しい気持ちになってしまう「遊び」をページに盛り込んであげましょう。上述の伊藤が運用したfacebookページでは、バレンタインにチョコレートをモチーフにしたバナーをつくり、ファンの方々にメッセージと共に届ける等の施策を行ったり、積極的に「必ずしもやらなくていいこと」をやっていました。


メインのコンテンツとは別に、特に無意味はないが、ビジュアルにめちゃくちゃ力入れてみた~のような投稿も時には重要です。ユーザーの視線を途切れさせないように、遊び心ある運用を心掛けたいですね。



5.投稿は最低3時間置こう
 














いきなりテクニカルな話ですが、facebookページへの投稿は最低でも3時間置いてから次の投稿を行うのが吉です。というのも、facebookページは投稿後、平均3時間の間に大部分の「いいね!」やコメントが寄せられるからです。


つまり、最初の記事が興味を引いている間に、次の記事を投稿して訪問者の興味を逸らさないようにすべきということです。前記事に盛んにエンゲージメントがあるようだったら、次の投稿までタイミングをしっかりはかりましょう。




6.投稿テキストの文字数は40文字以内にしよう




















これもまたテクニカルな話ですが、投稿テキストは英文字80字以下、日本語で大体40文字前後にすることで27パーセントもシェアの確立が上がると言われています。


伊藤の感覚値的からすると、そこまで大きな変化が見込めるとは思いませんが、不必要にだらだらと長い文章はシェア以前に目にも留めてもらえません。伝えたいことをコンパクトにまとめるのは間違いなく正攻法だと思います。




7.日曜日の夜のエンゲージメントがお勧め














運用しているfacebookページの業界/業種にもよりますが、とある米調査機関のリサーチによれば、facebookページでのエンゲージ率が高いのは、木・金曜日の早朝・終業後・深夜とのことです。そんな事実がある一方で、伊藤個人としては自身の経験に基づき、日曜日の夜(22時~24時くらい)のエンゲージメントをお勧めしたいと思います。理由は簡単で、翌日が月曜日(平日頭)で夜間は在宅率が高くPCブラウザからの利用者も多くいるため、非常にファンにリーチしやすいのです。個人的には木金以上の伸びを日曜夜に実感しています。

※もう一つ個人的なお話しをするなら、月曜朝はあまりお勧めしません。月曜の朝はニュース系の情報が多く、閲覧されるチャンスはあるにはあるのですが、他のニュース系の情報の中に投稿が埋もれてしまう上に、例え読まれたとしてもシェアやいいね、コメントはされにくい状況にあるといえます。















以上、「facebook運用で気をつけたい7つのポイント」でした。
いずれも基礎的な運用ノウハウですが、伊藤自身facebookページの運用には、
ずば抜けたマーケティングセンスや知識なんかはさほど重要でないと思っています。



短期的な集客や成果をあげようとするのではなく、「どうしらよりファンと繋がり合えるか、
理解しあえるか」を徹底的に考え抜く思考のタフネスと、持続的に運用していくスタミナさえあればファンとのエンゲージメントは必ず築けると思います。


3回に渡ってfacebookページについて書いてきましたが、今回のブログで管理/運用ネタは一区切りとさせて頂きます。また、自分で色々と運用など経験してみて、語れることが増えたら備忘録していきたいと思います。


記事に対する御意見、ご感想、ご指摘など頂ければ幸いです。
ありがとうございました。



2012年3月30日金曜日

facebookページ運用で気にしたい『エッジランク』って??




こんにちは、伊藤です。

前回の 『再確認、facebookキャンペーンでやってはいけないこと』 に引き続き、
今回もfacebookページの管理/運用について備忘録していきたいと思います。

今回はfacebookページ活用の要諦であり、中の人がページを管理/運用する際に
絶対に理解しておきたい“facebookのしくみ”にまつわる話をさせて頂きます。



エッジランクとは?

facebookにおいて、ニュースフィードの表示方法は「ハイライト」と「最新情報」の2種類があります。多くのユーザーにとってデフォルト設定になっているのが「ハイライト」であり、そこでは個人ごとに最適化された情報が表示されているわけですが、その「ハイライト」に表示される情報を整理するfacebookの仕組み(アルゴリズム)をエッジランクと言います。

このエッジランクのスコアが低いと、ページ運用者がどんなにせっせと投稿をしたとしても、ファンのニュースフィードにそれが届くことはありません。簡単に言ってしまえば、エッジランクが高いページの投稿は、ユーザーのニュースフィードに残り易いということです。




3つの要素から構成

エッジランクを構成する要素は3つ、優先順位の高い順に「経過時間」「重み」「新密度」です。


1.経過時間(Elapsed time)

 http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp1658.html

経過時間とは「投稿がポストされてからの経過時間」と、「投稿にリアクションが付いてからの経過時間」の2つを指し、より最近のモノのほうがスコアが高くなります。単純に最近投稿されたもの、最近コメントがついたものがニュースフィードに残り易いという話であり、このエッジランクを引き上げるために中の人ができることは特にありません。唯一の対策として、自分のfacebookページがどういう時間帯であればファンと最もエンゲージできるのか、投稿時間をしっかりと見極めたページ運用を心掛けたい所です。



2.親密度(Degree of intimacy)


   http://www.s-hoshino.com/f_photo/seibutsu/se_065.html

親密度は、普段どれだけページとファンがコミュニケーションを図れているのかを示す指標です。
どんなコミュニケーションがエッジランクの対象になるのか、これはfacebookサイドも伏せていますが、少なくとも「いいね!、コメント、タグ付け、メッセージ、プロフィール閲覧」等はスコアの加算対象となるようです。プロフィールページの閲覧が対象なのは、伊藤的にもちょっと意外でした。

このスコアを上げるためには、投稿に対して反応をくれた人に即レスを返し、
コミュニケーション量を増やしていくことがポイントになります。
ユーザーからのコメントには必ず「いいね!」や「コメント」を返すようにしましょう。

すると、当事者であるファンには「お知らせ」通知が飛び、再来訪/再コメント等、次のスコア向上のアクションに繋がります。反応を返すタイミングは、経過時間のエッジランク的にも早ければ早いほど良いので、中の人は常に即レスを心掛けたいところです。




3.重み(Weight)


http://www.flickr.com/photos/torrelodones/2857462858/sizes/m/in/photostream/

重みは、そのページの1つ1つの投稿に対して「いいね!」「コメント」等のリアクションがされた回数を指します。リアクションの種類によっても加算されるスコアは変わり、「いいね!」よりも「コメント」のほうがスコアが高い(投稿を重くする)と言われています。

また、ファンからのリアクションだけではなく、1つ1つの投稿自体にも重みがあり、「近況」よりも「写真」や「動画」などのほうが、投稿としての重みがより高いと言われています。

このスコアを上げるためには、ウォールへの投稿方法/投稿内容を工夫して、より反応を貰いやすい易くする必要があります。投稿方法や投稿内容の工夫の仕方については、次回書く予定のブログ「facebook運用で気をつけたい7つのポイント」で御紹介できればと思います。(→続く)

以上、中の人は理解しておきたい
「facebookページ運用で気にしたい『エッジランク』って??」でした。
僕もまだまだ勉強中ですが、基本の基の字としてこのしくみをしっかり理解しておきたいです。

ご意見、ご感想、ご指摘など頂ければ幸いです。





2012年3月20日火曜日

再確認、facebookキャンペーンでやってはいけないこと。




こんにちは、伊藤です。

3月末を以て強制的にタイムライン機能が導入されることで、
改めて話題となっているfacebookページ。

僕自身、facebookマーケティングはまだまだ勉強中の身ではありますが、
実際のページの管理/運用の経験は2件ほどあります。

1つは大学4年の夏から秋にかけて、学生時代のインターンでお世話になった、
某インタラクティブエージェンシーの大先輩から「運用スタッフやってみない?」
とお声掛け頂いて始めた某配給会社のドキュメンタリー映画のfacebookページ。
もう1つは大学4年の夏から卒業にかけて所属した、学生団体のfacebookページ。

暗中模索の管理/運用の中、上手くいかないことも多々ありましたが、
自分の施策でしっかりとファンの方とエンゲージでき、
それが数字でも証明できたときの喜びはひとしおです。

そうした体験や外部からかじった情報なんかも含め、
今回からは数回に渡ってfacebookページの運用に関するポイントを
備忘録として残していければと思います。


第1回の今回は「再確認、facebookキャンペーンでやってはいけないこと」
と題して、facebookページの運用にまつわる色々な「タブー」をご紹介(備忘録)できればと思います。いきなりNG話かよ!と思われるかもしれませんが、破れば“中の人”の血と汗と涙の結晶であるページが1発削除なんてことも大いにありえます。とても大切なことなので、あえてこの初回に書かせて頂きます。




http://www.flickr.com/photos/curiousdanielson/5048623143/    

前述のとおり、facebookページの運用には色々な「やってはいけないこと」があります。それは、facebook上の懸賞や賞品のかかったキャンペーン/コンテストは、いずれも同社の規定するプロモーションガイドラインに則って行われなければならないからです。



1.facebookとは関係ないことを明確に示す
ガイドラインには「プロモーションはFacebookが後援、支持、または運営するものではなく、Facebookにまったく関係していないことの認識が必要。」という項目があります。

これは、facebookを利用してコンテストやプロモーションを開催する際は、
それが企業或いはブランドが開催するものであり、
Facebookとは関係がないことを明確に記さなければならないということを意味します。



2.ウォール(タイムライン)上でキャンペーンはNG 
キャンペーンやプロモーションは、facebook.com上のアプリのキャンバスページ、
またはFacebookページのタブ上のアプリ内で運営される必要があります。

つまり、サードパーティが提供するFacebookアプリを使うか、
自分でアプリを作ってそのキャンバスページ上で行う必要があるということです。
(キャンペーンには専用アプリか独自アプリを使わなきゃダメと読み替えても構いません。)



3.いいね!でキャンペーン参加・応募・投票扱いはNG
facebookページへの「いいね!」や、スポットへのチェックイン機能によりキャンペーンに参加、
または応募できるように仕向けてはいけません。基本的にアプリを介さない操作(ページへのいいね!、ウォール投稿へのいいね!、ウォール投稿へのコメント等)を参加/応募の条件にできません。キャンペーンはあくまでアプリ上で、です。




4.facebook上で当選通知をしてはいけない
ガイドラインには「facebookのメッセージ、チャット、プロフィールまたはfacebookページへの投稿など、facebookを通じて当選者に通知することはできません。」とあり、キャンペーンの当選通知などをfacebookページ上で行うことも禁じられています。つまり、Facebook経由では発表できないということです。


どうなんでしょうか、これは。伊藤が知る限り、守っていない有名ブランドさんなんかも多い気がします。解決策としてはキャンペーンアプリ上で発表するか、アプリを介して取得したユーザーの登録メールアドレスに通知連絡をするなどが考えられるのではないでしょうか。いずれにしろ、facebookページでさらりと公開のようなことはできないようです。




5.その他のケース
※1.告知だけfacebookで行い、外部サイトでコンテスト(募集)などを行う場合
facebookでコンテストの内容を告知し、実際の投稿は外部サイトで受け付けるというもの。
これは投稿/募集をfacebookという場で行っていないのでアリのようです。
また、この場合はコンテストの結果をfacebookページで公開するのも問題なく、
その結果に対して「いいね!」がつくのも問題ないとされています。

僕も自身が所属した学生団体で投稿キャンペーンを行った際は、

外部サイトとfacebookページを組み合わせた同様の手段を取りました


※2.抽選は抽選でも、フィードバックが金銭またはそれに準じない場合
とある海外企業のfacebookページでは、ウォール(タイムライン)に投稿された写真の中から運営者が1枚選び、その写真を
期間限定で「今週のファン」としてプロフィールアイコンに飾るという施策がなされているそうです。これも抽選に違いありませんが、プレゼントは「金銭的な価値がある」ものではなく「栄誉」ですので、問題ないとのことです。あくまでガイドラインの対象となるのは「金銭価値のある賞品が用意されているもの」であって、上記のようなケースはブランドとファンの交流の1つのパターンと捉えられているのでしょうか。







今回のブログで再確認できた「やってはいけないこと」は、ほんの一部にすぎませんし、
多くの企業・ブランドのfacebookページでグレーゾーンに近いことが行われていると思います。


ですが、ルールを破ってある日突然うちのページが…なんてことになっても、笑えません。何より、せっかく築いたファンとの接触点を失ってしまうのは、あまりに重大な損失といえます。僕も数あるfacebookページの“中の人”の1人として、しっかりユーザーとエンゲージしていくためにも、無理のない誠実な運営を心掛けたいものです。


以上、「再確認、facebookキャンペーンでやってはいけないこと」でした。
励みや学びとなりますので、ご意見、ご感想、ご指摘など頂ければ幸いです^^


2012年2月26日日曜日

学生団体におけるメンバーのモチベーション管理の難しさ


この1,2年を振り返ってみると、ソーシャルメディアの普及とともに学生起業家と呼ばれる方々がとても増えたなぁと思う一方で、数多くの“学生団体”が日本中で組織されたように思います。かくいう伊藤も大学4年の最後はWEB記事を制作する某学生団体の創業メンバーとして、そこでの活動に力を尽くしました。


その経験も踏まえながら“学生団体”という組織を定義してみると、「インターンよりはゆるく、サークルよりは真面目な形で社会人の真似事をする集団」というのがしっくりくるところです。そんな学生団体が多く生まれる状況に色々と批判はあるのかもしれませんが、伊藤的には自ら発信媒体を持ち、社会に何か価値をもたらそうと学生が一所懸命になることは、決して悪いことではないと思います。



一方で、この独特の「ゆるさ」をたたえた学生団体において、メンバーのモチベーション管理はなかなか難しい課題だと思います。そもそも学生団体がやることはお金になりません。そうした前提の中、メンバーは世の中の誰かに価値を提供しようと、一生懸命に活動してくれるのです。

しかし、いくらメンバーがしゃにむに頑張って自らの時間を団体に捧げたとしても、そこで生まれた成果は組織としての成果に、ひいては団体代表者の人脈やブランディングに帰化するだけで、メンバー個人に具体的なフィードバックがあるわけではありません。




会社なら給料や昇級という「しくみ」によって成果は見える化しますが、学生団体において個人の成果は当事者に非常に還元されにくくその点、団体の成果やコネクションを一挙に集約できる学生団体の代表者というのは非常においしいポジションといえます。(そこでのブランディングやコネクションはそのまま社会人で活用できたりしますし)

ただ、ここで問題となるのは、団体や代表が成果を巻き取ってしまうという事実ではなく、この成果にあやかる団体代表者や“人”に関する責任者の人事がこの内実を語らず、メンバーに対してなんのケアも行っていない場合が多いということです。




メンバーとしては成果に対する評価が自らに向かないわけですから、少なからずストレスや不満は蓄積していきます。これを放置していてはモチベーションの低下につながり、ひいては良いパフォーマンスを発揮させる土壌を団体に築けません。


「自分自身の成長になったから」「誰かに貢献ができたから」という質的な還元は勿論あるのでしょうが(というか無い方がおかしい)、メンバーのそうした充足感や満足感にもたれかかるようにして、何のケアもせず団体が運営を続けていくのは、その個人に対してあまりに不誠実といえます。(こうしたメンバー間の人間関係にぶらさがってしまうような“ゆるさ”が学生団体の怖いところ)


どこかで聞いた話によれば、平均的な学生団体の寿命は3年だそうです。もしも学生団体に所属されている方がこのブログをご覧になったのであれば、より長期的にその団体が活動を続けていくためにも、自身の団体内ではどのようにメンバーのモチベーションを管理/向上できそうか、話してみても良いかもしれません。伊藤自身、まずはこの問題がしっかりと言葉で語られることが重要だと思いますし、その団体ごとに具体的なフォローやケアの方法が見つかればそれは素晴らしいことだと思います。

とりあえずメンバー間で語りはしたけど、結局何の改善も図られなかったという所で、新たな不満が生じるケースがゆうに想像できそうなので(笑)、なるべく具体的な施策として解決が図られるのが望ましいですね。

2012年2月13日月曜日

深夜作業、HPを回復させる「沁み曲」 20選



皆さんは“深夜”という時間をどうお過ごしでしょうか。大半の方は普通に眠っていると思いますが、中にはその寝る間を惜しんで、自らに課せられたミッションを果たすべく「作業」に追われている方もいるかと思います。学生なら受験勉強、レポートや論文作成、社会人なら企画書の作成、クリエイターなら映像/楽曲編集、デザイナーならデザイン課題…本当にお疲れ様です。かくいう伊藤も、深夜帯は結構集中力が増すので、明日がキツイと思いながらも、ついつい作業モードに突入してしまいます。

そんなとき、facebookのチャット欄を覗いてみると、何人かの知り合いが同じ時間帯にfacebookを開いているのが分かります。「あの人も何か頑張って夜更かしをしているのかも…」「そんな人達と深夜の頑張りを共有したいと」とか勝手に妄想し、よく伊藤は孤独な深夜作業を癒してくれるような「沁み曲」を深夜のfacebookにあげたりしています。

そしたら、友人から「他にどんな沁みる曲があるの?」とか、「作業のお供にしているよ」とか意外な好評を頂けるので、調子にのってまとめをつくろうと思いました。




                       1.tsunenori - Asunaro



2.Re:Plus - Nighttime



                                     3.DJ Okawari - Flower Dance - 2010



4.Nujabes - Luv(sic) Pt. 4 (ft. Shing02)



5.Nujabes - Still Talking To You



6.DJ Okawari - カノン



7.DJ Whitesmith - Rumina



8.DJ Okawari - Luv Letter



9.Nujabes - Horizon



10.Nujabes - Feather (ft. Cise Starr & Akin)



                    11.Delight -haruka nakamura-



12.Nujabes - Luv(sic) Pt. 3 (ft. Shing02)



13.re:plus - Regret



14.Nujabes - Windspeaks (ft. Uyama Hiroto)



15.Nujabes - Lady Brown



16.DJ GRIEVOUS - FALL DOWN 



17.Hidetake Takayama - Blink



 18.Ayur - I Miss You



19.re:plus -Everlasting Truth-



20.re:plus - Let The Story Tell(feat.Flow E)



お好きな“沁み曲”はありましたか?もしも深夜作業に煮詰まったときは、その手を休めて是非これらの曲を聞いて癒されてみて下さい。あなたのHPの回復にお役立ちできれば幸いです^^