7/5(土)に公開を迎え、初週の週末興行成績は6.91億円を記録。それまで16週連続不動の1位だった『アナと雪の女王』を抜き、興行収入1位の好スタートを切りました。公開3週目の土日(19、20日)時点で興行収入は30億を突破、最終興収も50億を超えて来る見込みです。
「アナと雪の女王」の歴史的大ヒットを振り返る。(前編)で述べた通り、洋画の興行収入が20億で大当たりの今のマーケットで、非常に大きな興行となることが予想されます。(洋画で50億越えとなれば、2012年『レ・ミゼラブル』以来のビッグヒット。)
そんな今作の宣伝がユニークだと、業界内でちょっとした話題となっています。どんな感じかというと、こんな感じ。
映画『マレフィセント』の角入りプレスキット。
ある日突然、ウォルト・ディズニー・スタジオから、タレント・モデル・マスコミ各位にマレフィセントBOXが届きます。かなり大きいです。(家庭用ゲーム機の箱ほどでしょうか)
訳も分からないまま箱を開けると、中には上質なプレスが入っており、さらに中蓋を開けると・・・
中にはマレフィセントの角(カチューシャ)が入っています。何の予告も無くサプライズでこれが届けられるあたり、ちょっとしたビックリ箱です。
届いた人は、とりあえず頭に装着し、その姿を写真を撮ります。
この角入りプレスキットが嬉しいサプライズとなり、「どんな映画なんだろう」と、ディズニーが関係者向けに行う試写会に毎回応募が殺到し、影響力の強いタレント・マスコミの、その後のポジティブな口コミに繋がりました。
しかし、今回の「マレフィセント」の取り組みは、“試写”に誘導することで映画の側(キャラクタービジュアル)だけでなく、物語や見所といった作品の中身をインフルエンサーから落とすことに成功しています。
なにより、殆どの配給会社が映画のプレス発送にここまで手の込んだことはしない中で、この施策はディズニー社が今作にいかに力を入れているかを伝えるメッセージとなりました。