2014年7月13日日曜日

映画「マレフィセント」の角セルフィがタレント中心に話題。


ウォルト・ディズニー創立90周年記念作品である映画『マレフィセント』。ディズニー・クラシック・アニメーションの傑作『眠れる森の美女』の誰も知らない“本当の物語”と、その真実に隠された“究極の愛”ドラマティックに描き出す、アンジェリーナ・ジョリー主演最新作

7/5(土)に公開を迎え、初週の週末興行成績は6.91億円を記録。それまで16週連続不動の1位だった『アナと雪の女王』を抜き、興行収入1位の好スタートを切りました。公開3週目の土日(19、20日)時点で興行収入は30億を突破、最終興収も50億を超えて来る見込みです。

「アナと雪の女王」の歴史的大ヒットを振り返る。(前編)で述べた通り、洋画の興行収入が20億で大当たりの今のマーケットで、非常に大きな興行となることが予想されます。(洋画で50億越えとなれば、2012年『レ・ミゼラブル』以来のビッグヒット。)


そんな今作の宣伝がユニークだと、業界内でちょっとした話題となっています。どんな感じかというと、こんな感じ。



















正確にはセルフィでは無いものも多いですが、こんな著名人の角付ショットが、映画の公開前よりソーシャルメディア上に数多く投稿され、話題となりました。原因はこれです。



映画『マレフィセント』の角入りプレスキット。



ある日突然、ウォルト・ディズニー・スタジオから、タレント・モデル・マスコミ各位にマレフィセントBOXが届きます。かなり大きいです。(家庭用ゲーム機の箱ほどでしょうか)

訳も分からないまま箱を開けると、中には上質なプレスが入っており、さらに中蓋を開けると・・・



中にはマレフィセントの角(カチューシャ)が入っています。何の予告も無くサプライズでこれが届けられるあたり、ちょっとしたビックリ箱です。






届いた人は、とりあえず頭に装着し、その姿を写真を撮ります。

この角入りプレスキットが嬉しいサプライズとなり、「どんな映画なんだろう」と、ディズニーが関係者向けに行う試写会に毎回応募が殺到し、影響力の強いタレント・マスコミの、その後のポジティブな口コミに繋がりました。




こうしたセルフィを促すプロモーションツールを配布するアイディアは海外事例などでたまに見られますが、どうしても“画面(えづら)だけの面白さ”に始終してしまうことが殆どです。

しかし、今回の「マレフィセント」の取り組みは、“試写”に誘導することで映画の側(キャラクタービジュアル)だけでなく、物語や見所といった作品の中身をインフルエンサーから落とすことに成功しています。

なにより、殆どの配給会社が映画のプレス発送にここまで手の込んだことはしない中で、この施策はディズニー社が今作にいかに力を入れているかを伝えるメッセージとなりました。

また、こうした顔出し写真の投稿を促進するようなアイディアは、シャイな日本人だと今イチ反応が悪く成功しないものですが、タレントやマスコミ関係者という“そのあたりに抵抗感の無い人”をターゲットとしているあたりも、上手く考えられている事例ではないでしょうか。